2013年11月19日火曜日

#AFP「フクシマ核燃料棒の複雑な取り出し作業の事実」





Home » AFP
フランス通信社 20131117
フクシマ核燃料棒の複雑な取り出し作業の事実
東京電力は、月曜日にフクシマ原発の貯蔵プールから核燃料を取り出す作業をはじめるが、これは、暴走した原子炉が2年前に制御下に抑えこまれて以来、最も問題の多い仕事である。
この作業の重要な事実を、以下に列挙する。
Q:原発内の核燃料の状態は、どうなっていますか?
A123号炉は、冷却システムが20113月の地震によって機能を喪失した結果、炉心がメルトダウンしました。これらすべての原子炉の炉心と使用済み核燃料プールの温度は安定しており、水で冷却されています。
4号炉の場合、建屋は火災と爆発で損傷しましたが、炉心は空であり、貯蔵プールに1553体の核燃料――使用済みの1331体と未使用の202体――が残されています。
Q:なぜ東京電力はプールから核燃料を取り出さなければならないのですか?
A:同社によれば、すべての核燃料を、将来にありうる地震や津波に備えて補強された共用プールで保管するほうが安全であるということです。
これは、核燃料を原発内の一つの場所から別の場所に移す、津波以来の最初の企てになります。
Q:どのように作業は進むのですか?
A:正常な状況の場合、原発では核燃料棒を適正な頻度で取り替えるのですが、それぞれの核燃料の正確な位置を「知って」いるコンピュータ制御のロボット・アームを用いることが多いです。
しかし、このプールを設置してある建屋の損傷、それにプール内にある爆発ガレキの存在は、予測不能な要素であり、この作業をかなり複雑なものにしています。
重装備防護服で身を固めた作業員らが、遠隔操縦で特設「捕捉機器」を狙い定めてプール内に降ろし入れ、それが核燃料集合体を掴み、巨大なキャスクのなかへ吊り降ろします。
長さ4.5メートルの核燃料の束はそれぞれみな、発火を防ぐために、いかなる時も水面下に保つ必要があります。
集合体と水を容れたキャスクは重さが91トンになり、それが別のクレーンで吊り上げられ、トレーラーに吊り降ろされます。次いで、施設内の別の箇所に運ばれ、逆の順で処理されます。
1500体あまりの集合体をすべて抜き取るのに、2014年末までかかると予想されています。これを首尾よく達成すると、メルトダウンを起こした原子炉から核燃料を抜き取る試みに着手できることになります。
しかし、核燃料プールの作業も厄介だし、いくつか未知の要素がありますが、123号炉の、溶けて形の崩れた炉心から核燃料を取り出す作業は、まったく新たなレベルの困難がつきまとうことになるでしょう。
Q:間違いを犯すとすれば、どのような場合ですか?
A:それぞれの燃料棒にウラニウムと少量のプルトニウムが含まれています。たとえば把握機器が落とした場合など、核燃料が空気中に露出すると、発熱しはじめ、そのまま放置すると――「臨界」として知られる――自発核反応に進みかねません。
東京電力は、単一の集合体が臨界に達するはずがなく、把握機器が運搬するのは一度に1体だけであるといっています。
空気中に露出した集合体は、あまりにも大量の放射線を放出するので、作業員が修復のために近寄るのも困難です。
懐疑論者らは、このような条件で企てられたことのない未曾有の作業に、あまりにも多くの予測不可能な要素があり、破局的事態を招く恐れがあるといっています。
フクシマ惨事の直後に実施された政府のシミュレーション・モデルは、公表が遅きに失しましたが、フクシマの核火災が近くにある他の核施設における連鎖反応を招きかねないとしていました。
その最悪事態シナリオは、巨大な避難地域が、3500万人が住むメガロポリス、大東京件の大部分にまで拡大しうるとしていました。

bur-si/pb/erf

0 件のコメント:

コメントを投稿