2015年4月21日火曜日

国際電力業界情報サイトPEi 「#フクシマ 廃炉作業に募る労働力不足の懸念」

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フクシマ廃炉作業に募る労働力不足の懸念
201542
ティルディ・ベイアー Tildy Bayar

福島第一原子力発電所の廃炉作業における労働力不足が事業を危うくするかもしれないとアナリストらが警告している。

朝日新聞のウィークエンド・レポートによれば、資源エネルギー庁の職員が「廃炉が完了するまで、必要な労働力を確保できるかどうか不透明である」と語った。


問題なのは、労働安全衛生法にもとづく被曝線量の法定限度――5年間で100ミリシーベルト、または1年間で50ミリシーベルト――に多数の労働者が達して、離職を余儀なくされることである。(国際放射線防護委員会は、労働者が5年間、1年あたり20ミリシーベルトを超えて被曝しないことと勧告している)

福島第一原発の登録労働者14,000名のうち、174人が法定限度に達して離職したと伝えられ、2081人が50ないし100ミリシーベルトの被曝をしている。朝日新聞によれば、後者の「大多数」が限度に達する前に所属会社によって被曝レベルの低い持ち場に移されており、これは従業員の被曝線量が20ミリシーベルトに達したさいの一般的な処遇である。

このため、今後の作業の見通しが――原発のなかでも最も放射線レベルの高い現場で実施する必要のある仕事を含め――おぼつかなくなる。

東京電力は、従業員数が作業に必要な適正員数より多いので、労働力不足は起こらないというが、これまで以上の労働者が被曝量限度に達するようなことがつづくなら、「原発内の放射線レベルを引き下げることによって、状況に対応する」ともいう。

アナリストらは、廃炉完了まで30年ないし40年かかるとされる事業を維持するためには、長期計画が必要であるという。福島県の安全顧問グループ(「福島第一原子力発電所の廃止措置等の安全確認に係る有識者懇談会」)の角山茂章座長は、あまりにも多くの熟練労働者が被曝量限度に達し、離職するなり配置転換になるようであれば、「廃炉作業が行き詰まる」と朝日新聞に語った。「政府と東京電力はできるだけ早く、なんらかの対策を講じるべきです」と彼は警告した。

東京電力が探求した一分野が、原発内の放射線区域で、人間の労働者をロボットに置き換えることである。同社は、これまで原子炉内の損傷を調査するためにカメラを装備したロボットを使ってきたという。「わたしどもは、原子炉建屋内の高線量区域の除染、原子炉格納容器または圧力容器の内部にある燃料デブリなどの作業に、もっと遠隔操作技術を応用できるのではと期待しております」という。

東京電力の工程計画にある次の段階は、3号炉の燃料プールから燃料棒を取り出すことであり、この作業では、労働者の被曝線量を抑制するために、主として遠隔操作技術を採用する計画になっている。しかし、何人かの労働者が必要な装置を設置する必要がある。



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