2015年8月25日火曜日

メイル・オンライン誌「2020年オリンピック野球競技会開催と地場産食品を売りこむ福島」


2020年オリンピック野球競技会開催と地場産食品を売りこむ福島

AFP201533

2011年に世界最悪の核惨事に打撃をこうむった福島は、東京オリンピック2020の野球・ソフトボール競技の開催――そして、選手らに県産食品を食べてもらうこと――を願っている。

これら2種目は2008年大会のあと、オリンピック競技から除外されたが、日本国内で人気があることから、来年の国際オリンピック委員会総会で復活が採択されそうだと予想されている。

「野球とソフトボールがオリンピック種目に復帰し、予選が東京以外で開催されるなら、わたしたちは競技会場を提供したいと願っています」と、福島市職員、桑島弘明氏がAFPに語った。

野球とソフトボールは2008年北京大会のあと、オリンピック競技から除外されたが、日本国内で人気があることから、来年の国際オリンピック委員会総会で復活が採択されそうだと予想されている。©Omar Torres (AFP/File)

「わたしたちはいまだに災害からの回復途上にあり、世界クラスの選手たちを当地にお迎えできるなら、夢のようです」

福島市の政策推進部職員である桑島氏は、20113月の破壊的な津波が引き起こした原発の三重メルトダウンのため、地域が、彼のいう「有害な風評」の犠牲になってきたと不満を言った。

「福島はデマ情報による多大な経済的損害をこうむりました。わたしたちは、そういう有害な風評を払拭したいのです。福島には、こうした競技を開催することのできる会場があります」と、桑島氏はいった。

東京から約150マイル(240km)北に位置する福島県はまた、オリンピックの練習キャンプを開設し、放射能レベルの懸念があるものの、海外の選手たちやファンらに地場産食品を食べてもらうことに懸命になっている。福島市は、損壊した核反応炉から60km離れているだけである。

「福島の産品は安全ですし、今後も安全でしょう」と、桑島氏は主張した。「もちろん、海外からいらっしゃる選手やお客さまにわたしどもの食品を召しがっていただきたいものです」

福島の広大なJヴィレッジ・スポーツ施設は、かつて日本のサッカー・チームの練習場に使われており、核危機のあと、大規模な浄化作業に動員された数千人もの労働者らのベースキャンプに転用されていたが、2020年オリンピック大会に間にあうように修復されることになっている。

JFA(日本サッカー協会)の大仁邦彌(だいにくにや)会長がJヴィレッジ練習キャンプの整備を望んでいますし、福島県としても、ぜひとも修復してもらいたいものです。少しばかり福島を心配する人もいるでしょうが、選手やファンのみなさんがいらっしゃれば、安全だとおわかりになるでしょう」と、桑島氏は述べた。

福島県はすでに、災害による最悪の被害を受けた他の東北2県、岩手と宮城とともに、2020年オリンピック大会に参画したいと切望を表明している。

201398日、ブエノスアイレスにて、最後に残った種目枠を確保するために、野球・ソフトボールのプレゼンテーションで演説する国際野球連盟のアントニオ・カストロ副会長。©Fabrice Coffrini (AFP/File)

【関連報道】


 遠藤利明五輪相は24日、都内の日本記者クラブで記者会見し、2020年東京五輪・パラリンピックの選手村で使う食材に福島県産品を導入したいとの考えを明らかにした。東京電力福島第一原発事故からの復興を後押しする狙いがあるとみられる。東日本大震災の被災地での競技開催にもあらためて意欲を示した。

 遠藤氏は会見で「選手村で福島県の食材を使うということもある。さまざまな形で被災地との関係を強めていきたい」と語った。

 政府の大会推進本部事務局によると、選手村で使う食材は大会組織委員会が開幕前までに決定する。政府は原発事故からの復興支援と風評払拭(ふっしょく)のため福島県産食材の導入について検討を進め、大会組織委員会に働き掛けるとみられる。

 一方、被災地での競技開催について遠藤氏は「可能なら予選をやりたい」とし、今後決定する追加種目の予選(一次リーグ)を県内などで実施したいとする考えを強調した。

 2015/07/25 09:40 カテゴリー:主要 



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(福島民報記事の英訳。海外の友人・知人のみなさんに拡散をお願いします)


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