2015年8月6日木曜日

星条旗新聞「中断されるキャンプ・シュワブの滑走路新設準備作業」







中断されるキャンプ・シュワブの滑走路新設準備作業

キャンプ・シュワブの航空写真。日本政府は翁長雄志沖縄県知事が埋め立て認可を取り消すと脅したのを受けて、滑走路の新設工事に向けた準備作業を中断する予定である。
III MARINE EXPEDITIONARY FORCE

マシュー・M・バーク Matthew M. Burke 角田千代美 Chiyomi Sumida
星条旗新聞 201584

【沖縄、キャンプ・フォスター発】日本政府は翁長雄志沖縄県知事が埋め立て認可を取り消すと脅したのを受けて、沖縄北部の僻地、キャンプ・シュワブで進められている滑走路の新設工事に向けた準備作業を中断する意向である。

菅義偉官房長官は4日の火曜日、作業は8月10日から9月9日まで停止されると語った。日本政府はその間、沖縄県当局者らが規制されている工事区域に立ち入り、現場に設置された重量のあるコンクリート・ブロックのために、サンゴがこうむった被害の程度を検証するのを許すことになる。

政府当局者らは再び翁長知事と面会し、計画について「集中的に協議」をおこなう。

現場で昼夜を徹して座り込み、最近の数か月、ますます激烈になっている、この島嶼県の熱気あふれる抗議運動にとって、作業の中断は大勝利であると見受けられるものの、菅長官は滑走路に対する日本政府の立場は変わらないと発言した。滑走路が完成すれば、普天間海兵隊航空基地の閉鎖、そして沖縄中部の人口稠密な市街地からの移設を促進するだろう。

「改めて政府の考え方を沖縄県に説明する」と、菅長官は表明した。「集中的な協議において、政府からは、普天間の危険除去と辺野古移設に関する政府の考え方や沖縄県の負担軽減を目に見える形で実現したいという政府の取り組み、こうしたことを改めて丁寧に説明をしたいと思っています」。

菅長官はまた、この問題について沖縄県の考え方に耳を傾けたいともいった。翁長知事は4日、記者会見の質問に答えて、この決定は、いい形の一歩前進であると述べた。

「わたしたちの声がついに届いたと思う。わたしは話し合いで解決の糸口が探れる可能性があるのであれば、努力は惜しまない」と、翁長知事は語った。

日本政府の発表は、翁長知事が委託した第三者委員会が、翁長知事の前任者である仲井眞弘多前知事が建設計画を認可したさい、報道によれば、決定・承認過程に法的瑕疵があったことが判明したという報告書を提出したのを受けたものである。

普天間移設騒ぎは、海兵隊員2名と海軍衛生兵1名が12歳の少女を誘拐し、残虐にもレイプした1995年に遡る。その後の抗議運動のさい、沖縄住民たちは海兵隊航空基地の閉鎖と移設を要求した。

1年後の二国間協議において、基地移転が合意された。しかし、住民たちが仰天したことに、移設事業を島嶼県内にとどめると決められた。

両国政府は1997年に移設先をキャンプ・シュワブに決定した。普天間基地を飛び立ったCH-53Dシースタリオン・ヘリが近くの沖縄国際大学に墜落した2004年以降、移設に向けた作業が強化された。

2006年の二国間協議によって、湾内に滑走路を建設し、普天間を移設する期限を2014年に設定すると合意された。滑走路が現実味を帯びるにつれ、抗議運動が激しくなった。

昨年8月になって、建設がついに始まった。11月になると、沖縄の人たちは、事業の廃絶を公約する基地反対派の翁長氏を圧倒的な票差で選出した。その後、翁長知事はあらゆる手段を駆使して建設の中止を試みてきた。

この問題は容易に解決するものではなく、多くの学識者らは最終的な判断を下すのは裁判所になるだろうと考えている。問題をさらに複雑にしているのが、日本の主権に公然と挑戦している、再興する中国であり、そして沖縄県に押し付けられた途方もない全軍駐留の重荷である。

沖縄県は、その県土が総国土面積の1パーセントにも満たないにもかかわわらず、日本に駐留する米軍将兵の半数に所在地を提供している。

沖縄駐留海兵隊の当局者は、移設は日本政府の事業であり、日本政府が見解を述べる適格者であるが、まだ言い残していることがあるようだと語った。

「辺野古湾における普天間代替施設の建設は、日米両国が長年にわたり続けてきた作業の有意義な結果であり、沖縄における米軍の再配置に向けた両国共通のヴィジョンを実現するうえで、決定的な一歩であります」と、海兵隊スポークスウーマンは星条旗新聞宛ての声明書に書いた。

sumida.chiyomi@stripes.com

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